工場でのお仕事を始めたての時期は、職場で飛び交う聞きなじみのない言葉に「どういう意味だろう?」と思うことも多いでしょう。今回は、どの工場でもよく使われる用語「タクトタイム」をご紹介します。省略して「タクト」とも言われることが多いこの用語。意味を知っておけば、工場でのお仕事に役立つこと間違いなしです!
タクトタイムって?
タクトタイムとは、1つの製品を生産するのにかかる時間のことです。オーケストラや合唱などでは、指揮者が指揮をする時に指揮棒を振って統率をとります。タクトタイムの「タクト」は指揮棒を意味するドイツ語の「Takt(タクト)」に由来しています。別名ピッチタイムとも呼ばれています。
タクトタイムは、生産現場を統率する大切な時間です。ものづくりの現場では、クライアント企業から依頼を受けた個数分の製品が生産されます。いつまでにいくつの製品を生産しクライアントに納品をしなければならない、という顧客が希望する納期・納品数がありますので、製品1つが完成するまでの時間を算出し、納期に間に合うよう生産スケジュールを組まなくてはいけません。つまり、工場の生産計画を立てる際に必要となるのが、このタクトタイムなのです。
どうやって計算するの?
どうやってタクトタイムを計算するのでしょうか。タクトタイムの計算式は、次の通りです。
1日の実働時間 ÷ (クライアントからの依頼生産数 ÷ 納期までの日数)
生産工程で欠かせない、顧客から何をいつまでに作ってほしいかの要望「クライアントからの依頼生産数」に対して、その要望に応えるため、1日あたりに必要となる生産必要数を「納期までの日数」で割って1日の実働時間を算出します。
例えば1日の実働時間が7時間で、依頼生産数が1000個、納期まで10日という場合
7時間 (420分)÷(1000÷10)= 4.2
タクトタイムは420分 / 100個 = 4.2分/個になります。
実働時間は、工場でスタッフさんに働いていただく時間となるので、もちろん休憩時間などは含まれていません。生産管理者はタクトタイムを計算し、依頼生産数に到達するよう日々チェックしています。生産状況に遅れが出ている場合は、スタッフさんに残業をお願いしたり、作業の効率を上げる方法を考えたり・・・など都度見直しが必要になります。このように、工場の生産状況の改善に、タクトタイムは役立てられるのです。
似ている用語と混ざらないように
実は、「○○タイム」と呼ばれる用語は他にもあり、タクトタイムと同様に工場のお仕事でよく使われています。似ている代表的な用語を、以下でかんたんに説明しますね。
サイクルタイム
サイクルタイムは、1つの製品を作り出すはじめの工程~完成までの1サイクルに要する時間のことです。サイクルタイムだと、タクトタイムと違いクライアントから依頼された生産個数は関係ありません。シンプルに工場の作業スピードを把握する時間となっており、タクトタイムとは異なる意味合いとなります。似たような意味にも見えますが、タクトタイムは、顧客から依頼された生産数と納期に対して算出しており、顧客視点の時間です。サイクルタイムは自社の生産設備で製品1個を生産するのにかかる時間を表していますので、自社視点の時間になります。
サイクルタイムとタクトタイムがほぼ同じである場合、工場の基本的な生産スピードでクライアントの依頼を達成できる見込みがあるということ。サイクルタイムとタクトタイムの両方を知っておくと、より工場の生産状況が理解できますね。
リードタイム
リードタイムは、製品の生産依頼~クライアントへの納品までにかかる時間のことです。上記2つの「タクトタイム」「サイクルタイム」で算出する時間より対象となる時間軸が長く、工程によって種類があります。「材料の調達リードタイム」「生産リードタイム」というように、各々の工程でリードタイムが存在しており、それぞれのスピードを把握できるのがポイントです。「生産リードタイム」は、製造リードタイムとも言われ、原材料を製造工程に投入、検査を経て製品として出荷するまでにかかる、すべての工程を合計した時間のことです。ムダを削減することで、リードタイムの短縮につながります。
このように工場では「○○タイム」と呼ばれる色々な用語が使われています。幅広いものづくりの現場で、時間配分と作業の効率化のために使われる「タクトタイム」。製造業の現場での必須ワードです。「サイクルタイム」や「リードタイム」など似た言葉もあるので、それぞれの言葉の意味や違いを知っておくと、先輩社員さんの指示内容がスムーズに理解できますね。工場の生産では、納期に間に合わせられないと失注にもつながりますので、タクトタイムがとても大切です。今回説明した内容を覚えておいて、ぜひ工場でのお仕事で活かしてみてくださいね!
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